厚生労働省が推奨するウイルス対策・消毒用の成分なども紹介
・公開日:2021.08.17最終更新日:2021.08.17
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安定化二酸化塩素は高い除菌・消臭効果を持つ成分で、その安全性・有効性が厚生労働省にも認められています。
この記事では、厚生労働省をはじめとする各公的機関における安定化二酸化塩素の認定内容を解説。
また厚生労働省が推奨する感染予防対策の方法や安定化二酸化塩素の取り扱いなどもまとめているので、合わせて参考にしてみてください。
安定化二酸化塩素の特徴と厚生労働省における認定内容
まずは、安定化二酸化塩素の概要と、厚生労働省などの各機関における認定内容を詳しく見ていきましょう。
安定化二酸化塩素とは
安定化二酸化塩素とは、二酸化塩素ガス(気体)をアルカリ性水溶液に溶け込ませ、気体の発生を安定化させた物質のことです。
これまで、二酸化塩素ガスは強力な除菌・消臭効果を持ちながらも、貯蔵や発生が困難であったために用途が限られていました。
しかし近年、二酸化塩素ガスを溶液として安定化させる技術が開発され、様々な用途で安心・安全に扱うことが可能となったのです。
安定化二酸化塩素は無色・無味・無臭で揮発性も低く、人体や環境に有害となる物質も副生成されません。
このことから、次亜塩素酸ナトリウムなどに代わる安全な除菌成分として、世界的に注目が集まっています。
厚生労働省の認定内容
安定化二酸化塩素は厚生労働省でもその安全性・有効性が認められています。
現在、安定化二酸化塩素に対して厚生労働省が認定を行っている内容は以下の通り。
- 飲料水の殺菌
- プール・公衆浴場の水殺菌
- 小麦粉の漂白・一般殺菌等
- カット野菜やフルーツの前処理洗浄除菌の食品添加物としての使用
このように、飲料水の殺菌や除菌目的の食品添加物としての利用などがすでに厚生労働省で認められています。
あくまで除菌用の物質であるため、食べたり飲んだりすることは推奨されていませんが、万が一口に含んでしまった場合でも害のない安全な成分と言えるでしょう。
その他の公的機関における認定
厚生労働省以外にも、安定化二酸化塩素は以下のような機関で安全性・有効性が認定されています。
公的認定を受けた機関 | 設定内容 |
---|---|
日本経済産業省 | 消防法及び劇薬物取締法指定除外 |
国連食品添加物専門委員会(JECFA) | 人体接取許容基準(ADI)AIクラス認証/医薬品・医薬部外品・食品添加物・医療品 |
米国食品医薬品局(FDA) | 食品添加物・医薬品機器消毒・医療用機器消毒許可・動物用医薬品・動物用医薬部外品 |
米国環境保護局(EPA) | 飲料水・工業廃水処理・環境浄用化 |
米国農務省(USDA) | 食品・食肉消毒 |
米国食品安全検査局(FSIS) | 食品・食肉消毒 |
米国食中毒予防計画(HACCP) | 食中毒の発生する危険度の高い食肉の消毒 |
厚生労働省が発表するウイルス感染予防と安定化二酸化塩素の取り扱い
続いて、厚生労働省が推奨するウイルス対策(主に新型コロナウイルス)の方法と、安定化二酸化塩素を使った除菌・消臭方法を詳しく見ていきましょう。
厚生労働省推奨の新型コロナウイルスの消毒・除菌方法
新型コロナウイルスは、ウイルスを含む飛沫やウイルスに付着した手指が粘膜に触れることで感染します。
そのため、人との距離の確保・会話時のマスク着用・手指消毒などを徹底し、ウイルスの侵入を防ぐことが重要です。
また、消毒液や除菌剤を活用して身の回りのモノを綺麗にしておくことで、手指へのウイルス付着そのものを減らす効果が期待できます。
厚生労働省の発表による新型コロナウイルス消毒・除菌方法の一覧は以下の通りです。
方法 | モノ | 手指 | 市販品の薬機法上の整理 |
---|---|---|---|
水および石けん | ○ | ○ | – |
熱水 | ○ | × | – |
アルコール消毒液 (エタノール) |
○ | ○ | 医薬品・医薬部外品(モノへの適用は雑品) |
次亜塩素酸ナトリウム水溶液 | ○ | × | 雑品 (一部医薬品) |
手指用以外の界面活性剤 | ○ | -(未評価) | 雑品(一部医薬品・医薬部外品) |
次亜塩素酸水 (条件あり) |
○ | -(未評価) | 雑品 (一部医薬品) |
亜塩素酸水 | ○ | -(未評価) | 雑品(一部医薬品) |
それぞれ消毒に利用する場合は所定の濃度や取り扱い方法があるため、詳しくは厚生労働省のページをご参照ください。
安定化二酸化塩素は日本では医薬品・医薬部外品として認可されていない
厚生労働省の推奨する消毒液に安定化二酸化塩素が含まれていないのは、安定化二酸化塩素がまだ日本において医薬品・医薬部外品としての認可を受けていないためです。
しかしアメリカではすでに医薬品として採用されており、大手企業やNASAなどでも使用実績があることから、安全性・有効性は確かな成分と言えるでしょう。
そのため、現在は雑貨品という形で、安定化二酸化塩素を使った除菌・消臭商品を販売するメーカーが増えています。
安定化二酸化塩素を使用する場合は濃度に注意
安定化二酸化塩素はウイルス対策やカビ予防・消臭などに効果のある成分ですが、濃度を誤ると人体に害をなす可能性もあるため、自作する場合は注意が必要です。
用途別の安定化二酸化塩素の推奨濃度は以下の通り。
濃度 | 使用場所 |
---|---|
5ppm | お風呂・車・その他家庭内の除菌、観賞魚ウイルス予防 |
10ppm | カビ除去、おしぼり除菌、脱臭、加湿器、手指消毒 |
50ppm | 犬小屋・飼育室の除菌、脱臭 |
100ppm | 通常脱臭、清掃 |
590ppm | 強力除菌、トイレの脱臭、清掃 |
1,000ppm | 強力脱臭(ごみ処理場など業務利用) |
より手軽に安定化二酸化塩素を活用したい場合は、スプレータイプや置き型・タブレット型などの除菌剤を購入するのがおすすめです。
既製品の場合はあらかじめ用途に適した希釈がされているため、購入後すぐに利用できるといったメリットがあります。
まとめ
- 厚生労働省では、安定化二酸化塩素に対し飲料水や食品の殺菌成分としての利用を認可している
- 安定化二酸化塩素は厚生労働省だけでなく、WHOやHACCPなどの認証も受ける安全性・有効性の高い成分
- 日本では雑貨という扱いになるため、商品を購入する際は違法な表記がされていないか確認する
安定化二酸化塩素は海外ではすでに医薬品として流用されており、日本で認可される可能性もゼロではないため、今後の厚生労働省の動きに注目したいところです。
部屋の気になる臭いやカビ菌などを元から取り除いてくれる便利な成分でもあるので、空間除菌の一環として導入を検討してみてくださいね。