
よくテレビなどで見かけるアクリル板やお店などで置かれるパーテーション。その効果とは
・公開日:2021.11.09最終更新日:2021.11.09
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新型コロナウイルスの感染拡大以降、オフィスや店舗における感染対策グッズとして急速に普及したのが「飛沫防止用パーテーション」です。
この記事では、飛沫防止パーテーションを設置することで得られる感染対策の効果やメリット、また飛沫防止パーテーションを導入する際の選び方について解説しています。
飛沫防止パーテーションと組み合わせて活用したい感染対策グッズも紹介しているので、オフィスや店舗の感染対策でお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
飛沫防止パーテーションによる感染対策の効果
まずは、飛沫防止パーテーションを設置することで得られる感染対策の効果・メリットについて詳しく見ていきましょう。
飛沫感染・接触感染の防止
新型コロナウイルス感染症をはじめとする、病原菌やウイルスの主な感染経路は以下の通りです。
感染経路 | 仕組み | 感染しやすいウイルス |
---|---|---|
空気感染 | 咳やくしゃみなど、感染者の口から飛び出したウイルスが、 感染性を維持したまま空気の流れによって拡散され、 周囲の人がそれを吸い込んだために感染 |
結核菌・麻しんウイルス・水痘・ 帯状疱疹ウイルスなど |
飛沫感染 | 咳やくしゃみなど、感染者の口から 飛び散ったしぶき(飛沫)を近くにいる人が吸い込むことで感染 |
新型コロナウイルス・インフルエンザウイルス・ 風疹ウイルス・アデノウイルス・百日咳など |
接触感染 | 感染者の皮膚や粘膜、 またウイルスが付着している物を触った手で、 自身の口や鼻に触れることで感染 |
新型コロナウイルス・ノロウイルス・ インフルエンザウイルス・水痘・帯状疱疹ウイルス・ 黄色ブドウ球菌など |
経口感染 | ウイルスが付着した 飲料・食品を口にすることで感染 |
ノロウイルス・O157・サルモネラ菌など |
中でも新型コロナウイルス感染症は飛沫感染・接触感染のリスクが高いとされ、くしゃみや咳による唾液の飛び散りを防ぐ目的で飛沫防止パーテーションを設置するケースが増えています。
スーパーコンピューター「富岳」のシミュレーションによれば、約20分の会話で咳1回分の飛沫が出るという結果が出ています。
(参考:https://www.asahi.com/articles/ASNCH4R1TNCDPLBJ00C.html)
このことから、対面状態での長時間滞在が想定される場所(会議室・飲食店など)において、飛沫防止パーテーションの設置は感染対策の効果が期待できると言えるでしょう。
ソーシャルディスタンスの確保
飛沫防止パーテーションを設置することで「1人分のスぺース」が可視化され、ソーシャルディスタンスの確保につながるというメリットも得られます。
隣同士で間隔を空けるように意識していても、仕事や会話に集中しているうちにいつの間にか距離が近くなっていたというケースは少なくありません。
しかし飛沫防止パーテーションがあれば、パーテーションが作業位置の目印となり、物理的にソーシャルディスタンスを確保した環境を作り出すことができます。
「どのぐらい距離をとれば良いか分からない」といった不安が解消されることで、オフィスで働くスタッフたちに安心感を与える効果も期待できるでしょう。
感染対策に効果的なパーテーションの選び方
続いて、感染対策として飛沫防止パーテーションを設置する場合の、商品の選び方について詳しく見ていきましょう。
飛沫を防止できる高さ・サイズを選ぶ
パーテーションで飛沫による感染対策を行う場合は、顔の位置よりも高さのある商品を選ぶのがポイントです。
くしゃみや咳、会話から出される飛沫の中には、顔の高さを超えて飛散するものもあるため、感染対策の効果を向上させるには高さのあるパーテーションがおすすめです。
一般的に、卓上であれば60cm~80cm程度、床置きであれば140cm以上のパーテーションが望ましいでしょう。
利用シーンに合わせた素材を選ぶ
飛沫防止パーテーションと言えば透明のアクリル板やビニールカーテンが主流ですが、実際には布タイプや半透明タイプなど様々な種類が販売されています。
利用シーンによっては透明以外のパーテーションが適していることもあるので、環境やレイアウトを踏まえた素材選びを行うようにしましょう。
主なパーテーションの種類と活用シーンは以下の通りです。
透明アクリル板・ビニールカーテン | 会議室や飲食店など、 相手の顔を見える状態にしたい場合におすすめ。 |
---|---|
半透明(フロスト加工)アクリル板 | 職場のデスクやコワーキングスペースなど、 相手の視線を遮断した状態で 作業したい場合におすすめ。 |
布(フェルト)タイプのパーテーション | 押しピンを挿したり 周囲の音を吸収したりすることができるため、 コールセンターや事務所の感染対策におすすめ。 |
設置か所に合わせた形状を選ぶ
パーテーションの形状にも様々な種類があり、こちらも利用シーンや業種によって使い分けが必要です。
主なパーテーションの形状には以下のようなものがあります。
開口部分アリの パーテーション |
パーテーションの下部に開口部分があるタイプ。 モノの受け渡しができるため、 窓口やネイルサロンなどで利用される。 |
---|---|
開口部分ナシの パーテーション |
飛沫防止の効果が高く、 マスクを外す可能性の高い場所 (食堂や喫煙スペースなど)への設置におすすめ。 |
横置き用の パーテーション |
長机や飲食店など、 席の間隔を空けることが難しい場所への設置におすすめ。 |
コの字型・L字型の パーテーション |
1つのパーテーションで 正面・両隣の間仕切りを行えるのが特徴。 自習スペースやセミナールームなどで利用される。 |
間仕切りの設置と組み合わせたいウイルス予防方法
ここからは、パーテーションの設置と合わせて実施したい効果的な感染対策を紹介していきます。
マスク着用
飛沫防止パーテーションを設置すれば100%の飛沫を防げるというわけではありません。
きちんと高さのあるパーテーションを設置しても、一部の飛沫は空気の流れとともに周囲へ飛散してしまうため、基本的にはマスク着用を同時に実施するようにしましょう。
マスク・フェイスシールドとパーテーションを組み合わせることで、二重で飛沫を防止でき、感染対策の効果をより高められます。
空間除菌剤の設置
パーテーションで防ぎきれない空気中のウイルス・細菌に対しては、空間除菌剤の活用がおすすめです。
空間除菌剤とは二酸化塩素や次亜塩素酸水を含んだ除菌アイテムのことで、空気中に浮遊するウイルス・細菌の構造を破壊して不活化させる効果が期待できます。
スペースの都合などでパーテーションを設置しにくい場所の除菌にも役立つので、オフィスや店舗の感染対策としてぜひ導入を検討してみてください。
パーテーション自体の手入れも忘れずに
パーテーションには飛沫や空気中の汚れといった様々な細菌が付着しているため、設置後は定期的に拭き掃除などのお手入れを行う必要があります。
例えばアクリル板の場合は、中性洗剤を薄めた水にタオルなどを浸し、固く絞ったうえで軽く水拭きするのがおすすめです。
まとめ
- 飛沫防止パーテーションを設置することで、飛沫感染のリスク軽減やソーシャルディスタンスの確保といったメリットが期待できる
- パーテーションを導入する際は、必要な高さ・設置か所に合わせた材質・形状を踏まえたうえで商品を選ぶことが大切
- パーテーションの設置と並行して、マスク着用や空間除菌剤の散布を行うことでより効果的に感染対策を行える
飛沫防止パーテーションは対面時における感染対策として一定の効果を見込めますが、それだけで全ての飛沫を防止できるものではありません。
マスクやフェイスシールド、また空間除菌剤などを活用し、効果的に感染対策を実施していきましょう。