MMSの特徴と危険性、安定化二酸化塩素の安全性も解説
・公開日:2021.08.17最終更新日:2021.08.17
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「体内に取り込むことで新型コロナウイルスを予防できる」として、“MMS”と呼ばれる物質が話題になっています。
しかし実際は、MMSは健康被害を招くリスクを持ち合わせた成分であるため、取り扱いには注意が必要です。
この記事では、MMSの特徴と注意点、また同じくウイルス対策への効果が注目されている“安定化二酸化塩素”との違いを解説していきます。
安定化二酸化塩素とMMSの違い
まずは、安定化二酸化塩素とMMSそれぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
安定化二酸化塩素とは
安定化二酸化塩素とは、二酸化塩素(気体)をアルカリ性の水溶液に溶存し、安定的に二酸化塩素を放出できるように調整した物質のことです。
安定化二酸化塩素は強い酸化作用を持つ物質で、細菌・ウイルスに触れることで反応を起こし、細胞膜を形成するタンパク質を変質・不活化させられるのが特徴。
種類やエンベロープ(脂質膜)の有無にかかわらずほぼ全ての細菌・ウイルスに作用するため、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどと比べ幅広い効果が期待できるのも安定化二酸化塩素のポイントです。
MMSとは
一方でMMS(Miracle Mineral SolutionまたはMiracle Mineral Supplement)とは、約28%の亜塩素酸ナトリウムを含んだ水溶液のことをいいます。
MMSとレモンやライムのしぼり汁・ジュース(=クエン酸)と混ぜて服用することで、新型コロナウイルスをはじめ、アルツハイマー病・自閉症・HIVなどの治療・予防に役立つと言われています。
では実際にMMSを服用するとどうなるのか、次の項目で詳しく見ていきましょう。
MMSが新型コロナウイルスに効果的って本当?
MMSは健康被害を招く可能性がある
新型コロナウイルスの予防ができると言われるMMSですが、実際にはそのような効果は得られないことが分かっています。
それどころか、亜塩素酸ナトリウム(MMS)とクエン酸を混ぜて飲用すると、体内で毒性の強い二酸化塩素ガスを発生させ、下痢や嘔吐などの症状を引き起こすリスクがあります。
二酸化塩素は漂白剤に使われる成分の1つで、中には脱水症状や急性肝不全といった命にかかわる症状が出るケースも報告されており、MMSは大変危険な製品と言えるでしょう。
米食品医薬品局(FDA)では10年以上前からMMSに対して注意喚起を行っていますが、現在でもインターネット上で販売が続いており、入手可能な状態となっています。
しかしMMSは医薬品として承認された製品ではないため、購入したり口内・体内に含んだりしないよう注意しましょう。
厚生労働省もMMSに対する注意喚起を出している
MMSに対する注意喚起は、日本の厚生労働省からも以下のように発出されています。
米国FDA(米国食品医薬品局)他3カ国において、HIV、肝炎等に効果があると謳い、インターネット等を通じて販売されているMiracle Mineral Solution等と称されるものに関して、使用を中止するよう注意喚起をしている。当該製品は、亜塩素酸ナトリウムを含む経口液体製品で、クエン酸等の酸性のものと一緒に摂取することにより、二酸化塩素が発生し、これにより嘔吐、下痢、脱水などの症状を起こすことが報告されている。当該製品は、承認された医薬品ではない。
※米国FDA等では、使用を中止し、医療機関への受診を勧めている。
引用元:https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1.html
ウイルス対策・感染予防には安定化二酸化塩素がおすすめ
MMSが人体に有害な成分であるのに対し、安定化二酸化塩素はその安全性・有効性が世界的に認められた成分です。
ここからは、安定化二酸化塩素の使用が許可されている範囲や、自分で安定化二酸化塩素を作るときの濃度などを紹介していきます。
安定化二酸化塩素は安全性・有効性が世界的に認められている
安定化二酸化塩素は、以下の公的機関で安全性・有効性の承認を受けています。
公的認定を受けた機関 | 設定内容 |
---|---|
日本厚生労働省 | 飲料水の殺菌・プール・公衆浴場の水殺菌/小麦粉の漂白・一般殺菌等/カット野菜やフルーツの前処理洗浄除菌の食品添加物としての使用 |
日本経済産業省 | 消防法及び劇薬物取締法指定除外 |
国連食品添加物専門委員会(JECFA) | 人体接取許容基準(ADI)AIクラス認証/医薬品・医薬部外品・食品添加物・医療品 |
米国食品医薬品局(FDA) | 食品添加物・医薬品機器消毒・医療用機器消毒許可・動物用医薬品・動物用医薬部外品 |
米国環境保護局(EPA) | 飲料水・工業廃水処理・環境浄用化 |
米国農務省(USDA) | 食品・食肉消毒 |
米国食品安全検査局(FSIS) | 食品・食肉消毒 |
米国食中毒予防計画(HACCP) | 食中毒の発生する危険度の高い食肉の消毒 |
安定化二酸化塩素もまだ日本では医薬品としての認可を受けていませんが、海外ではすでに医薬品として流通しており、安全性は確認済みです。
MMSはいかなる機関からも承認を受けていない成分なので、安全面の違いは一目瞭然と言えるでしょう。
用途別の希釈濃度(原液を使用する場合)
安定化二酸化塩素は原液の状態で購入し、自分で用途に合わせて希釈するという使い方も可能です。
用途別の安定化二酸化塩素の推奨濃度は以下の通り。
濃度 | 使用場所 |
---|---|
5ppm | お風呂・車・その他家庭内の除菌、観賞魚ウイルス予防 |
10ppm | カビ除去、おしぼり除菌、脱臭、加湿器、手指消毒 |
50ppm | 犬小屋・飼育室の除菌、脱臭 |
100ppm | 通常脱臭、清掃 |
590ppm | 強力除菌、トイレの脱臭、清掃 |
1,000ppm | 強力脱臭(ごみ処理場など業務利用) |
なお、希釈済みの安定化二酸化塩素は人体に害のない安全な成分ですが、元となる二酸化塩素ガスはMMSと同様毒性のある成分です。
MMSのような症状が出る心配はないものの、口腔内や体内へ取り込むのは避けた方が良いでしょう。
安定化二酸化塩素を使った空間除菌商品「AC plus」
安定化二酸化塩素を使って効果的に除菌・消臭を行うなら、タブレットタイプの除菌剤がおすすめです。
タブレット型空間除菌剤「AC plus」は、エアコンのフィルター部分に設置することで安定化二酸化塩素を散布できる仕組みとなっています。
こちらは除菌スプレーや置き型除菌剤が届かない範囲まで満遍なく除菌・消臭できるのがメリットです。
AC plusでは、以下のようなウイルス除去・カビ予防・消臭といった効果が期待できます。
病原体の不活化 | 新型ウイルス・SARS-CoVウイルス・MERS-CoVウイルス・C型肝炎ウイルス・デングウイルス・サルロタウイルス・インフルエンザウイルス |
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ウイルス・カビの除去 | 157・大腸菌・サルモネラ菌・黄色ブドウ球菌・レジオネラ菌 等 病院のMRSA・院内感染対策・院内の消臭・器具の滅菌 |
有機悪臭の分解 | アンモニア臭・タバコ臭・ペット臭・体臭・室内干臭・シューズ臭・生ゴミ臭・その他の悪臭 |
まとめ
- 安定化二酸化塩素は世界的に安全性・有効性が認められた成分で、殺菌・消毒・消臭などの効果が期待できる
- MMSには安定化二酸化塩素のような効果はなく、様々な健康被害を及ぼす危険があるため使用は避ける
- 安定化二酸化塩素製品を購入する場合は、部屋全体を均一に除菌できるタブレットタイプがおすすめ
MMSは新型コロナウイルスに効果があると一時期話題になりましたが、服用すると命にかかわる危険があるため絶対に購入しないようにしましょう。
また安定化二酸化塩素についても飲用・食用はせず、空間除菌や物体除菌用のアイテムとしてご活用ください。