ニュースなどでもよく耳にするクラスター。その意味や定義とは

【新型コロナウイルス】クラスターとは?認定基準や有効な対策を解説

・公開日:2021.04.08最終更新日:2022.02.01

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新型コロナウイルスの影響で、「クラスター(cluster)」という用語が一般的になりました。テレビやラジオ、ネットニュースなどで頻繁に用いられているので、見かけたことがある人がほとんどでしょう。

しかし、クラスターとは、どういう意味を持つ用語なのでしょうか。

本記事では、クラスターが持つ意味や発生時に予想される被害について詳しく紹介します。クラスターを未然に防ぐために有効な対策とはどんなものがあるのかあわせて確認しましょう。

この記事は、次のような人におすすめの内容です。

  • クラスターとは何か理解したい人
  • クラスターの人数定義が気になる人
  • クラスターによる被害や対策とは何かを知りたい人

新型コロナウイルスの影響で話題になった「クラスター(cluster)」とは?

新型コロナウイルスにおけるクラスター(cluster)とは、「集団感染」や「感染者の集団」を指します。

なお、英語では感染者の集団はクラスター(cluster)とは呼びません。正しくは、cluster(集団・集まり)の頭にDisease(疾患)をつけた「Disease cluster」と呼ぶのが一般的。

海外の人に「クラスター(集団)」と言っても伝わらない可能性があるので注意しましょう。

クラスターの定義は?感染者がどのくらいいたら集団感染になるの?

新型コロナウイルスのクラスター(cluster)が発生したというニュースを耳にするたびに、「クラスターとは何人の感染者がいれば該当するのか?」と気になっている人もいるでしょう。

令和2年2月に厚生労働省によって作成された「新型コロナウイルス感染症における患者クラスター(集団)対策について(依頼)」では、5人程度の発生を目安にクラスター(cluster)とすると記載されています。

ただし、この定義付けは、令和2年2月現在のものです。今後、クラスター(cluster)の人数定義が変更される可能性もあるので、その都度、最新の情報に目を向けるようにしてください。

https://www.mhlw.go.jp/content/000619966.pdf

本来は、使用される分野・シーンによって意味が異なる

新型コロナウイルスにおけるクラスターとは集団感染を意味しますが、本来は「集団」「塊」「群れ」などの意味があります。

例えば、IT業界のクラスターは、パソコンのシステムを統合して処理の効率化をはかるシステムを指し、マーケティング業界では意見やアイデアなどが集まった状態をクラスターと呼ぶなど、分野やシーンによって言葉の意味が変わってくることを覚えておきましょう。

関連情報:クラスターとあわせて使われる用語の意味を確認

新型コロナウイルスにおけるクラスター(cluster)は、さまざまな用語とあわせて使われることが多いです。ここでは、新型コロナウイルスに関連する用語の意味を簡単に説明します。

オーバーシュートとは?

オーバーシュート(Overshoot)とは、新型コロナウイルスの感染者が爆発的に増加すること。

日本では、本来、金融業界で使用されている用語で、有価証券などの価格が大きく変動することを指します。

ちなみに英語圏では、Overshootとは「行き過ぎる」「通りこす」などの意味で使われている言葉なので、感染者の増加したことをオーバーシュートという用語で表しても伝わらない可能性が高いです。

ロックダウンとは?

ロックダウンとは、都市の封鎖を意味します。一定期間、対象とする地域で人の移動を制限したり、企業のビジネス活動を禁じたりする措置をとること。

英語圏でも、同様の意味でロックダウンという用語が使われています。

ただし、国によってロックダウンの措置の内容や規模は異なる場合が多いです。

パンデミックとは?

パンデミック(pandemic)とは、地球規模で大流行する病気のこと。今回であれば、世界各国で新型コロナウイルスの感染者が出ていることから、非常事態を表す用語として使用されることが多いです。

クラスターが発生しやすい場所とは?

アメリカ感染症学会が科学的に分析したデータを見てみると、感染しやすい行動や場所を3段階のリスクに分けて公表しています。この分類を分かりやすくまとめたものが以下です。

上記の場所に共通するのは、換気がよく行われていないことです。また、不特定多数の人々と接触する可能性があり、密になる空間だとクラスターが発生しやすいと言われています。

リスク分類 行動
低リスク群 スーパーやコンビニに食品を買いに行く
人が少ない環境での散歩、ジョギング
物理的な距離を保った上で病院を受診する
レストランなどでテイクアウトをする
一緒に住んでいる家族とBBQやキャンプをする
接触を伴わないスポーツ(ゴルフやテニスなど)
郵便物を開く
ホテルに泊まる)
中リスク群 屋外のレストランで食事をする
友達など不特定多数でBBQやキャンプをする
距離を保った上で友人と食事をする(4人いかが好ましい)
飛行機・電車・バスで短時間移動する
美容院や理髪店に行く
遊園地や公共プールに行く
図書館や博物館に行く
繁華街や都市部に滞在する
高リスク群 ビュッフェ形式のレストランに行く
大勢で食事を取り合う食事や飲み会
複数人でカラオケ
屋内のレストランや居酒屋で食事
大規模なコンサートやライブに参加する
接触を伴うスポーツをする(サッカーやラグビーなど)
混雑したビーチやプールに行く
バスや飛行機で長時間移動する
クルーズ船で旅行する)

参考:忽那 賢志, 米国感染症学会による新型コロナの行動リスクの分類(筆者訳) ,国内旅行は新型コロナ拡大のリスク Go To トラベルを安全に楽しむには

発生時に予想される被害とは?

クラスター(cluster)が発生した場合の被害とはどのようなものが出るのでしょうか。この章では、いくつかの場所を例に挙げて、予想される被害内容を一覧で紹介します。

企業でクラスターが発生した場合に考えられる被害とは

  • 消毒作業の必要性(作業コストの発生)
  • 保健所への連絡(人的コストの発生)
  • 業務遅延・停止(生産性の低下)
  • 企業ブランドの毀損

小売店でクラスターが発生した場合に考えられる被害とは

  • 客足の現象
  • 風評被害
  • 店舗の清掃・消毒
  • 保健所への連絡(人的コストの発生)
  • 店舗の閉店

工場でクラスターが発生した場合に考えられる被害とは

  • ブランド毀損
  • 風評被害
  • 製造ラインの停止(生産性の低下)
  • 保健所への連絡(人的コストの発生)

身近で起こりやすい小規模な感染患者の集団を発生させないためのよい方法は?

小規模な患者の集団を発生させないためのよい方法は

クラスター(cluster)とは何か、どのような被害が出るか解説してきましたが、大切なのは集団感染を発生させないことです。

この章では、クラスター(cluster)の発生を未然に防ぐために有効な手段を紹介します。

クラスターを防止する方法とは:マスクなどを着用する

マスクやフェイス・マウスシールドを着用することで、飛沫を防止できます。自分の飛沫を相手に飛ばさない効果もありますが、相手の飛沫を自分が浴びないようにするためにもマスクやフェイス・マウスシールドは有効です。

周囲に人がいないとつい息苦しくてマスクなどを外してしまう人がいますが、飛沫はものにも付着します。飛沫がついたものを誰かが触ってしまうことで、クラスター(cluster)の発生につながることもあるので注意が必要です。

クラスターを防止する方法とは:定期的に手を洗う

定期的に手を石鹸で丁寧に洗うことで、ウイルスが目や鼻などの粘膜から体内に入るリスクを抑えられます。

大人でも正しい手洗いが身についていない人が多いので、この機会に専門家から手洗いの方法を指導してもらうのも1つの方法です。適切な手洗い方法を示したポスターを手洗い場に掲示するのも良いでしょう。

クラスターを防止する方法とは:消毒・抗菌を徹底する

大勢の人が触るものや場所は、きちんと消毒・抗菌することが重要です。例えば、階段の手すりや電気のスイッチ、エレベーターのボタン、ドアノブ、電話、コピー機などは特によく消毒・抗菌しましょう。

どのようなタイミングで消毒・抗菌をするべきか明確に決めたルールを設けるのも良いでしょう。

まとめ

新型コロナウイルスの影響で、日常的に「クラスター(cluster)」という言葉を耳にするようになりました。感染者の集団であるクラスター(cluster)が発生すると、新型コロナウイルスがどんどん広まっていく可能性があるので注意が必要です。

クラスター(cluster)による被害を未然に防ぐためには、感染対策を徹底することが大切です。例えば、手洗いうがいをしたり、消毒・除菌をしたりなどの対策があります。

これからは新型コロナウイルスだけでなく、感染症対策は継続的に行っていく必要があります。できることからクラスター対策を行っていきましょう。

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