安定化二酸化塩素を使用する際の最適な濃度とは

安定化二酸化塩素は安全?使用目的に合わせた濃度の調整とおすすめ商品

・公開日:2021.05.07最終更新日:2021.06.15

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新型コロナやインフルエンザなどのウイルス対策として、「安定化二酸化塩素」の効果が話題です。

この記事では、安定化二酸化塩素の特徴と効果、また用途別の濃度目安について解説しています。

濃度の調整なしで使える便利な除菌グッズも紹介しているので、安定化二酸化塩素を使ったウイルス対策が気になるという方はぜひ参考にしてみてくださいね。

感染予防対策に効果が期待される「安定化二酸化塩素」とは?


安定化二酸化塩素とは、「二酸化塩素」という塩素成分をアルカリ性水溶液に溶け込ませた溶存液のことです。

気体の状態と比較して二酸化塩素の放出が安定化されることから、安定化二酸化塩素と呼ばれています。

まずは、安定化二酸化塩素がウイルスを除去する仕組みと、同じくウイルス対策に効果があるとされる「次亜塩素酸ナトリウム」との違いについて詳しく見ていきましょう。

安定化二酸化塩素が持つウイルス除去効果

ウイルスの除去には、安定化二酸化塩素が持つ酸化作用が関わっています。

細菌やウイルスは細胞を持つ生命体であり、細胞の外殻を形成しているのがカプシドと呼ばれるタンパク質です。

安定化二酸化塩素はこのタンパク質に対して酸化作用を起こし、細胞の構造自体を変質させる性質があります。

これによりウイルスの機能が低下し、除菌ができるという仕組みです。

世界的にも安全性・有効性が認められる成分

もとの成分である二酸化塩素は、刺激臭があり長期保存が難しいなどのデメリットがありました。

安定化二酸化塩素はこれらのデメリットを補う成分として開発され、無味・無臭・無色で長期保存も可能です。

また安定化二酸化塩素はFDA(米国食品薬品局)・EPA(米国環境保護庁)・WHO(世界保健機関)をはじめ、以下の公的機関で安全性・有効性が承認されています。

公的認定を受けた機関 設定内容
日本厚生労働省 飲料水の殺菌・プール・公衆浴場の水殺菌/小麦粉の漂白・一般殺菌等/カット野菜やフルーツの前処理洗浄除菌の食品添加物としての使用
日本経済産業省 消防法及び劇薬物取締法指定除外
国連食品添加物専門委員会(JECFA) 人体接取許容基準(ADI)AIクラス認証/医薬品・医薬部外品・食品添加物・医療品
米国食品医薬品局(FDA) 食品添加物・医薬品機器消毒・医療用機器消毒許可・動物用医薬品・動物用医薬部外品
米国環境保護局(EPA) 飲料水・工業廃水処理・環境浄用化
米国農務省(USDA) 食品・食肉消毒
米国食品安全検査局(FSIS) 食品・食肉消毒
米国食中毒予防計画(HACCP) 食中毒の発生する危険度の高い食肉の消毒

次亜塩素酸ナトリウムとの違い

安定化二酸化塩素と同じく、酸化作用によってウイルス除去を行う「次亜塩素酸ナトリウム」という成分があります。

次亜塩素酸ナトリウムは塩素系漂白剤などに含まれている除菌力の強い成分です。

ただし次亜塩素酸ナトリウムは塩素臭が強く、また高濃度のものは人体への害性もあるため、安定化二酸化塩素と比べて取り扱いが難しいというデメリットも。

より安全にウイルス対策を行いたい場合は、次亜塩素酸ナトリウムよりも安定化二酸化塩素の方がおすすめです。

その他、次亜塩素酸ナトリウムと安定化二酸化塩素の違いは以下の通りです。

次亜塩素酸
ナトリウム
安定化
二酸化塩素
有効性 ほとんどのウイルス・カビ・真菌類 全てのウイルス・カビ・真菌類・藻類
毒性 アルカリ配合製品は組織を強く腐食する/トリハロメタンなどの有害物質を生成する ほとんどない/高濃度の状態で長時間接触すると皮膚や呼吸器官が刺激を受けるケースがある
腐食性 アルミニウム・鉄に対して腐食性がある/ステンレスに青みを生じる可能性がある ほとんどない
生分
解性
塩素系副生成物に対して低い 反応性薬品・副生成物に対して高い

濃度が低くても効果アリ!使用目的別の希釈倍率


安定化二酸化塩素は原液の状態で購入でき、自分で濃度を調整することで様々な用途に使えるのが特徴です。

続いて、除菌成分別の濃度比較と、安定化二酸化塩素の用途別の濃度目安について詳しく見ていきましょう。

安定化二酸化塩素の除菌効果

以下は、2.5分間で除菌を行う場合に必要とされる最小濃度の比較分析表です。

除菌剤の成分
大腸菌
黄色ブドウ球菌
MRSA
枯草菌
黒麹カビ
グルタルアルデヒド 100,000ppm 100,000ppm 100,000ppm 100,000ppm 100,000ppm
フェノール 10,000ppm 10,000ppm 10,000ppm 10,000ppm 10,000ppm
無水エタノール 500,000ppm 500,000ppm 500,000ppm 500,000ppm 500,000ppm
グルコン酸クロルヘキシジン 100ppm 10ppm 1,000ppm 1,000ppm 10,000ppm
塩化ベンザルコニウム 100ppm 10ppm 100ppm 1,000ppm 10,000ppm
ポビドンヨード 10ppm 100ppm 100ppm 1,000ppm 1,000ppm
次亜塩素酸ナトリウム 10ppm 10ppm 10ppm 1,000ppm 1,000ppm
安定化二酸化塩素 1ppm 1ppm 1ppm 100ppm 10ppm

次亜塩素酸ナトリウムをはじめとする様々な除菌成分と比べ、安定化二酸化塩素は低い濃度でも強力な除菌効果を得られることが分かります。

原液を使用する場合の濃度目安

安定化二酸化塩素の原液を使用する場合は、以下の濃度を目安に調整するようにしましょう。

濃度 使用場所
5ppm お風呂・車・その他家庭内の除菌、観賞魚ウイルス予防
10ppm カビ除去、おしぼり除菌、脱臭、加湿器、手指消毒
50ppm 犬小屋・飼育室の除菌、脱臭
100ppm 通常脱臭、清掃
590ppm 強力除菌、トイレの脱臭、清掃
1,000
ppm
強力脱臭
(ごみ処理場など業務利用)

業務利用の場合は100ppm以上の濃度が必要となるケースも多いですが、家庭内の利用においては、5ppm~10ppm程度の濃度でほぼ全体の除菌に対応できます。

濃度が低くても高い除菌効果を得られるため、コストパフォーマンスの点においても安定化二酸化塩素は優れていると言えるでしょう。

濃度調整が面倒な場合は安定化二酸化塩素を使った除菌剤がおすすめ


原液を購入すれば用途ごとに適した濃度の安定化二酸化塩素をつくることができますが、都度濃度調整の作業をするのが面倒という場合は既製品の利用もおすすめです。

ここからは、安定化二酸化塩素を使った除菌剤の活用方法について解説していきます。

一般的な消毒スプレー・除菌剤の使い方

安定化二酸化塩素を使った商品には、スプレータイプやゲルタイプ、ミストタイプなどの種類があります。

スプレータイプのものはテーブルや衣類に吹きかけて利用することが多いです。

濃度が低めにつくられている商品の場合、手指消毒への利用が可能と表記されている場合もあります。

またゲルタイプやミストタイプの除菌剤は、部屋に設置することで自動的に成分を放出させる仕組みになっています。

トイレや洗面所などの比較的狭いスペースの除菌や、車内の除菌などに利用することが多いです。

最新の空間除菌システム【AC plus】

より広い範囲の除菌を行うなら、タブレットタイプの空間除菌剤「AC plus」がおすすめです。

AC plusも安定化二酸化塩素を使用した除菌剤で、エアコンのフィルター部分に設置するだけで自動的に除菌を行います。

部屋全体へ満遍なく安定化二酸化塩素を散布できるため、スプレータイプや置き型の除菌剤よりも高い効果が期待できます。

AC plusは公式サイトの他、Amazonでも購入可能となっているので、気になる方はチェックしてみてください。

まとめ

  • 安定化二酸化塩素は酸化作用を持つ成分で、次亜塩素酸ナトリウムよりも安全性が高いとして注目されている
  • 低い濃度でも強力な除菌効果があり、濃度を調整することで様々な使い方が可能
  • 濃度の調整が面倒な場合は、安定化二酸化塩素を使用した商品の利用が手軽でおすすめ

安定化二酸化塩素はウイルスの種類にかかわらず作用するため、アルコールのように除菌できるウイルスが限られた成分よりも高い効果が期待できます。

ペット臭やタバコ臭などのニオイ予防にも利用できるので、家庭内の除菌方法でお悩みの方はぜひ安定化二酸化塩素の商品をチェックしてみてください。

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