居酒屋経営者の方もお客さんとして訪れる方も知っておきたい感染対策
・公開日:2021.03.02最終更新日:2021.06.15
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居酒屋などの飲食店は、新型コロナウイルスの感染拡大によって感染対策の徹底や時短営業、休業などの対応が求められています。
東京都(恵比寿、吉祥寺など)や大阪府(梅田、京橋)、兵庫県(三宮)など繁華街で居酒屋を経営する人の中には料理を提供できずに、やきもきしていた方も多いでしょう。
また、居酒屋の経営者・感染症の予防担当者の中には、「具体的にどのような感染対策をすれば良いのか」と頭を抱えている人もいるかもしれません。
そこで本記事では、居酒屋などの飲食店で有効な新型コロナウイルスの感染対策について詳しく説明します。
居酒屋の感染症対策をする前に|ガイドラインでコロナの情報や条件を確認しよう
居酒屋などを含む飲食店に対して、一般社団法人日本フードサービス協会および一般社団法人全国生活衛生同業組合中央会から「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(改正)に基づく外食業の事業継続のためのガイドライン」が公表されています。
この感染対策に関するガイドラインでは、居酒屋などの飲食店で新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために効果的な対応策がまとめられています。ポイントは、居酒屋などの飲食店が行う感染対策だけでなく、居酒屋の料理を堪能するお客様にお願いする内容も記載されている点です。
本記事では感染対策に関するガイドラインの内容をすべて取り上げるのは難しいですが、一部抜粋して重要な要点にしぼってお伝えします。
引用:http://www.jfnet.or.jp/contents/_files/safety/FSguideline_20514.pdf
感染対策に関するガイドライン:基本的な方向性はグルメのジャンルを問わない
感染対策に関するガイドラインでは、居酒屋などの飲食店が本格的に事業を再開できるように、以下の基本事項を押さえることを推奨しています。
- 居酒屋などの店内の消毒・清掃
- 食品や料理の衛生対策・安全管理
- 従業員の健康管理の徹底
- ソーシャルディスタンスを確保するための工夫
また、新型コロナウイルスの感染対策については、常に最新の情報を確認すべきであることもこのガイドラインに明記されています。居酒屋などで適切な感染対策をしてお客様の安全確保をするためにも、国や地方自治体からの情報発信に目を向けておくことが大切です。
感染対策に関するガイドライン:居酒屋などの飲食店側が対応すべきこと
新型コロナウイルスの感染対策について記載されたガイドラインには、居酒屋などの飲食店が対応すべきこととして以下のようなことが述べられています。
お客様が入店するとき
居酒屋などにお客様が入店する前に、せきや発熱などの体調不良が発生していないかを確認します。何らかの異常があり、新型コロナウイルスの罹患が否定できない場合はお客様に事情を説明して入店を断らなければいけません。
入店を制限されることに納得できないお客様がいることを想定して、店内もしくは店頭にその旨を記載したポスターなどを貼るのも1つの方法です。
また、店頭に手指消毒用のアルコールなどを設置したり、お客様に検温を依頼したりすることも必要です。
お客様の順番待ちが発生する場合は、できるだけ間隔(1m~2m程度)をとって並ぶように従業員が促します。もしくは、整理券を発行して、居酒屋などの飲食店に列ができないような工夫をすることが大切です。
客席に案内するとき
居酒屋などの飲食店の席にお客様を案内するときは、ソーシャルディスタンスを維持できるように案内しなければいけません。テーブル席は斜めに着席してもらったり、必要に応じてパーティションを設置したりするのも良いでしょう。
特に、居酒屋のカウンター席はお客様同士が密着しやすいので、店側で必要な感染対策をしたうえでお客様にも協力を促すことがポイントになります。
料理の会計をするとき
料理の会計をするときは、飛沫感染を防ぐためにお客様との間にアクリル板などの仕切りを設けます。現金を手渡しで受け取ると感染拡大につながる可能性があるので、キャッシュトレイ(コイントレイ)などを使用すると良いでしょう。
また、非接触型決済を導入するのも感染対策として効果的です。この機会に、電子マネーやバーコード決済などのシステムの利用を始めるのも1つの方法です。
居酒屋は他の飲食店と違って、お客様同士で割り勘をして支払うケースが多くなります。レジに集団で密集するとナンセンスなので、会計には1人で来てもらうようにお願いしましょう。
自宅で料理を楽しめるテイクアウト・デリバリーサービスの実施
レストランやカフェだけでなく、居酒屋などの飲食店でも、テイクアウトサービスやデリバリーサービスを実施しているところが増えています。
テイクアウトサービスを実施する場合は、居酒屋などの飲食店にお客様が滞在する時間ができるだけ短くするための工夫が必要です。例えば、事前に予約注文を受け付けるなどの方法を導入すれば感染対策につながります。
デリバリーサービスを実施する場合は、居酒屋などに直接来店するお客様と配達員ができるだけ接触しないようにする必要があります。例えば、デリバリーサービス専用のカウンターを設置するのも感染対策として有効です。
なお、いずれも食中毒を防止するために、居酒屋などで購入した料理はできるだけ早めに食べるように口頭で伝えましょう。口頭で伝えるのが難しい場合は、注意書きで対応するのも良いでしょう。
感染対策に関するガイドライン:飲食店に来るお客様が守るべきこと
感染対策は居酒屋などの店側だけでなく、料理を味わうお客様にも協力をお願いする必要があります。
例えば、入店前に検温・消毒をしたり、飲酒中・食事中以外はマスクを着用したりなどが上げられるでしょう。感染対策のために飲み放題・食べ放題の予約を断ったり、個室の利用を制限したりすれば自ずとお客様の協力が必要になります。
いくら店舗側が感染対策を徹底しても、お客様の協力が得られなければ成り立たないことも多いです。居酒屋などの店舗とお客様がお互いに安全な環境で時間を過ごせるように、感染対策の内容を記載したポスターやチラシを作成するなどの工夫が必要です。
休業から事業再開に向けて|「居酒屋だから」必要な感染症対策とは?
居酒屋は他の飲食店と違って、お酒を飲むことを目的に来店するお客様が多い特徴があります。そのため、以下のような感染対策について別途考える必要があることを覚えておきましょう。
- 宴会の人数を限定する
- 店舗の利用時間が長くならないように制限を設ける
- 席の移動をしないようにお客様にお願いする
- お客様が密集しないような座席配置を考える
- お酒の回し飲みを禁止する
- お酒が回っても大声を出さなように注意する
- 別のグループと接触しないように促す
- 飲み放題・食べ放題コースの利用を制限する
- 個室の利用を制限する
- 個室を換気できるように工夫する
居酒屋は飲み放題・食べ放題コースが用意されていたり、個室で料理を楽しめたりすることが多いです。しかし、飲み放題・食べ放題コースはお客様の滞在時間が長くなりやすく、個室は十分な換気ができないこともあります。
状況に応じて飲み放題・食べ放題コースの利用を制限するのも1つの方法です。飲み放題・食べ放題ができない代わりに魅力的なコースを用意するのも良いでしょう。
また、個室は換気システムを導入したり、個室の仕切りを開放したりなどして料理を提供する工夫が必要でしょう。
まとめ
居酒屋などで感染対策をする場合は、正確な情報が記載されているガイドラインに目を通すことが大切です。
さまざまな情報を誰でも簡単に確認できる現代ですが、錯綜していることも多々あります。できるだけ、国や地方自治体などから公表される情報を元に、居酒屋として適切な感染対策を行いましょう。
また、居酒屋は他の飲食店と違って、お客様同士が密集しやすい飲食店でもあります。お酒などの提供をしても構いませんが、アルコールが入った状態だと感染対策を忘れてしまうお客様もいるので注意が必要です。
今回紹介した内容を居酒屋の感染対策に役立ててください。