
安定化二酸化塩素は危険?安全?気になる情報まとめ
・公開日:2021.02.08最終更新日:2022.03.25
本コンテンツは一般的な情報の提供を目的としており、法律的、税務的その他の具体的なアドバイスをするものではありません。個別具体的事案については、必ず専門家にご相談ください。
本コンテンツの情報は、その情報またはリンク先の情報の正確性、有効性、安全性、合目的性等を補償したものではありません。
また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。
新型コロナウイルスが流行し、感染対策を強化する必要性があります。
除菌やなどについて調べていると、「安定化二酸化塩素」という言葉を見かけることがあります。しかし、「塩素」という文字が入っていることもあって、「危険な薬品なのでは」と不安を感じることもあるでしょう。
そこで今回は、安定化二酸化塩素の危険性について説明します。安定化二酸化塩素は本当に危険なのか、安全に利用する方法はあるのかなどについて参考にしてください。
この記事は、次のような人におすすめの内容です。
- 安定化二酸化塩素に興味がある人
- 安定化二酸化塩素の危険性について知りたい人
- 安定化二酸化塩素を安全に取り扱う方法が気になる人
コロナ感染対策に効果的な安定化二酸化塩素とは?危険性はなく、安全?
安定化二酸化塩素とは、二酸化塩素の状態を安定させている物質の総称です。消臭や消毒、カビの防止などに有効な薬剤とされています。
二酸化塩素(化学式:ClO2)の前駆体ではありますが、基本的にガスなどの毒性は少なくなっています。そのため、安定化二酸化塩素を正しく使用していれば、目や呼吸器系の面膜などを強く刺激する可能性は低いと考えられています。
ただし、100%毒性ガスが発生しないとは言い切れないので、使用時は正しく取り扱わなければいけません。
製品・商品の種類を確認
安定化二酸化塩素には、さまざまな製品・商品の種類があります。
代表的なグッズは、液化した安定化二酸化塩素をスプレーボトルに入れた形式のものです。消臭したい箇所や消毒したい箇所に噴射するだけで効果が見られるので、手軽に安定化二酸化塩素を使用したい場合に向いています。
スプレータイプの他にも、安定化二酸化塩素をゲル状にした置き型タイプの製品・商品も販売されています。スプレータイプのように直接噴射はできませんが、消臭・消毒したい空間にあらかじめ置いておくことで効果が期待できるのが特徴です。
また、通販サイトでは液状の安定化二酸化塩素をタオルにしみ込ませたウェットタオルもありますし、タブレット型の商品も開発されています。
二酸化塩素とは異なる性質・効果を持つ
安定化二酸化塩素を取り扱い時の危険性が高い二酸化塩素と混同する人がいますが、まったく別のものです。
この章では、安定化二酸化塩素と二酸化塩素の危険性における違いについて詳しく解説します。
危険性の違い
二酸化塩素は強い殺菌効力がある物質ですが、使用時の注意点を守らないと人体に危険を及ぼすことがあるので注意が必要です。
二酸化塩素ガスは、ハイターなどに代表される次亜塩素ナトリウムの約2.5の酸化作用を持っているとされています。もし二酸化塩素ガスが呼吸器系や目の粘膜を刺激すれば、咳嗽にとどまらず、ぜんそくなどを引き起こす危険性もあるほどです。
プラスチックや金属などを劣化させる作用も確認されているので、日本では診療所内などで二酸化塩素を使った消毒法は推奨されていません。
一方、安定化二酸化塩素は人体やプラスチックなどへほとんど影響しないとされています。物質の名前が似ていて混同しやすいですが、安定化二酸化塩素は二酸化塩素よりも危険性が低めであると言えるでしょう。
保存方法の違い
殺菌性に優れている二酸化塩素は、少しの光や熱で物質が分解される性質を持っています。これは、二酸化塩素自体が不安定なガスであるからです。
一般的には、この現象の発生を抑えるために、二酸化塩素は水に溶け込ませて二酸化塩素水溶液として保存されます。とは言え、あくまでも物質の分解が発生するのを抑える方法なので、水に溶かしている状態でもちょっとした光や衝撃でガスが放出されてしまいます。
一方、安定化二酸化塩素は、二酸化塩素の保存におけるデメリットを解消するために物性的に安定した状態を保てるように改良された薬剤です。少しずつ二酸化塩素が放出するように調整されているので、安定化二酸化塩素の方がガスを安定した状態で保存できます。
消毒に使われる次亜塩素酸ナトリウムとの違い
次亜塩素酸ナトリウムと安定化二酸化塩素の大きな違いは、PH(ペーハー)です。PH(ペーハー)は水溶液の性質を表すの単位で、PH(ペーハー)が高いほどアルカリ性が強いと判断します。
そもそも次亜塩素酸ナトリウムとは、強アルカリ性の物質です。次亜塩素酸ナトリウムは、主に塩素系漂白剤として用いられることが多く、PH(ペーハー)はPH12です。水で希釈することで、ウイルスや感染症の消毒などに有効な次亜塩素酸水になります。次亜塩素酸水のPH(ペーハー)は水の分量によって異なりますが、一般的にはPH4~5とされています。
次亜塩素酸水は歯医者などで消毒として使われることがありますが、正しい製法で作成しないと体に危険を及ぼすことがあるので注意が必要です。
一方、安定化二酸化塩素のPH(ペーハー)は、PH9~11です。次亜塩素酸よりもアルカリ性が低く、次亜塩素酸水の方が酸性が強い物質と言えます。
次亜塩素酸を使って人体に危険が及ばない次亜塩素酸水にするためには、希釈などをしっかり確認しなければいけません。しかし、安定化二酸化塩素はすでに人体に危険が出る可能性が少ない状態になっているので、手間なく消臭・消毒に使用できるのが特徴です。
安定化二酸化塩素に危険性や注意点はある?
安定化二酸化塩素は基本的に危険性はなく、安全な薬剤だとされています。しかし、利用中の危険はゼロとは言えません。
この章では、安定化二酸化塩素を取り扱う前に知っておくべき、危険性について解説します。
安定化二酸化塩素の注意点①人体に直接使用しない
安定化二酸化塩素を人体に直接噴霧したり、液体を吸引したりするのは止めておきましょう。薬剤自体の危険性は低いですが、薬剤の濃度によっては悪影響が出ることも考えられます。
安定化二酸化塩素は、消臭・消毒したい箇所に向けた用途で使用するようにしてください。
安定化二酸化塩素の注意点②酸性の物質と混ぜない
安定化二酸化塩素を使用するときは、酸性の物質と混ぜることを避けてください。
安定化二酸化塩素と酸性の物質を混ぜると化学反応で二酸化塩素が急激に発生します。先述の通り、二酸化塩素は人体に及ぼす悪影響を及ぼす危険性が高い物質なので、安定化二酸化塩素を利用するときは十分な注意が必要です。
安定化二酸化塩素の注意点③革や金属に使用しない
安定化二酸化塩素は、皮革製品や金属類に吹き付けるとそれらを腐食してしまう危険性があります。
人体に危険を与える使用方法ではありませんが、使用する場所の近くに皮革製品や金属類がないか確認した上で安定化二酸化塩素を使うようにしましょう。
まとめ
安定化二酸化塩素の危険性について解説しましたが、大切なポイントをまとめると以下の通りです。
- 安定化二酸化塩素は人体に悪影響を及ぼす危険性が低い
- 二酸化塩素や次亜塩素酸とはまったく違う性質を持つ薬剤
- 危険性は低いが、人体への直接噴射や酸性の薬剤と混ぜるのは避ける
安定化二酸化塩素は二酸化塩素よりも人体に悪影響を及ぼす危険性が低く、次亜塩素酸水よりも手軽に使用できる薬剤です。ペットや車の消臭や感染症対策の消毒などにも使用できます。
コロナ対策に危険性の低い安定化二酸化塩素を使用して、効果的に除菌を行いましょう。