安定化二酸化塩素でノロウイルス対策できる?その効果的な使い方
・公開日:2021.11.10最終更新日:2021.11.10
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新型コロナウイルスの感染対策に意識が向きがちな昨今ですが、冬場にかけてはインフルエンザやノロウイルスといったその他の感染症の予防対策も必要です。
この記事では、ノロウイルス感染症に焦点を当て、ウイルスの構造や効果的な消毒方法を解説しています。
除菌スプレーに含まれる成分の特徴・使い分けのポイントなどもまとめているので、感染対策のやり方や消毒グッズの選び方でお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
安定化二酸化塩素とは?除菌スプレーなどに含まれる主な成分
市販の除菌スプレーや消毒グッズには、主に「アルコール系(エタノールなど)」と「塩素系(次亜塩素酸ナトリウム・安定化二酸化塩素など)」のいずれかの成分が含まれています。
まずは、それぞれの特徴と消毒のメカニズムについて詳しく見ていきましょう。
アルコール系除菌剤による消毒
アルコール系除菌剤の代表的な成分である「エタノール」の分子は、油になじみやすい「親油基」の部分と、水になじみやすい「親水基」の部分で構成されています。
この「親油基」の部分がウイルスの表面にある脂質膜(油)と結びつくことで、ウイルスが変質・不活化して最終的に消滅するという仕組みです。(※詳細なメカニズムは未解明)
塩素系除菌剤による消毒
塩素系の消毒成分には、次亜塩素酸ナトリウム・次亜塩素酸水・安定化二酸化塩素など様々な種類があります。
次亜塩素酸ナトリウムは主に塩素系漂白剤に含まれている成分です。
また次亜塩素酸水と安定化二酸化塩素は空間除菌剤などに使われていることの多い成分です。
いずれの成分もウイルスの外殻に含まれるタンパク質と反応して酸化させる性質を持っています。
酸化によって構造を変えられたウイルスは感染力を失い、やがて消滅するという仕組みです。
ノロウイルス感染症の予防に効果のある除菌剤は?
感染症の原因となるウイルスは、脂質膜の有無によって「エンベロープウイルス」と「ノンエンベローブウイルス」の2種類に分けられます。
続いて、それぞれのウイルスの特徴と消毒成分への抵抗力の違いについて詳しく見ていきましょう。
ウイルスはエンベロープの有無で2タイプに分かれる
エンベロープ(脂質膜)とは、脂質・タンパク質・糖タンパク質から構成される膜のことで、ウイルスの外殻を覆うような形で存在しています。
この構造を持つウイルスを「エンベロープウイルス」といい、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどが該当します。
一方、エンベロープを持たないウイルスは「ノンエンベローブウイルス」と呼ばれ、ノロウイルスやロタウイルスなどはこちらの一種です。
ノンエンベローブウイルスにはアルコール除菌の効果が薄い
ノロウイルスの感染予防をするうえで注意したいのが、エンベロープウイルスとノンエンベローブウイルスでは消毒成分の効き方に違いがあるという点です。
エンベロープウイルスは脂質膜の部分が破壊されてしまえば感染力を失うため、脂質膜の油分と反応するアルコール系除菌剤でも十分に消毒の効果を見込めます。
一方ノロウイルスなどのノンエンベローブウイルスは脂質膜を持たないことから、感染力を失わせるにはウイルスの外殻部分を破壊しなければなりません。
しかし外殻部分を構成するのは主にタンパク質であり、脂質に作用するアルコール系除菌剤では消毒効果が薄いと考えられているのです。
そのため、新型コロナウイルスだけでなくノロウイルスに対しても感染予防を行うなら、アルコール系除菌剤と塩素系除菌剤の併用が望ましいと言えるでしょう。
ノロウイルスの感染対策には安定化二酸化塩素などの塩素系商品がおすすめ
ノロウイルスのように脂質膜を持たないウイルスに対しては、安定化二酸化塩素をはじめとする塩素系除菌剤での消毒が効果的とされています。
ここからは、ノロウイルスの感染対策に役立つおすすめの成分・商品について詳しく見ていきましょう。
ノロウイルスの感染経路
ノロウイルスが体内に侵入する経路として、以下の3つのパターンが挙げられます。
- 汚染された食品・便・吐しゃ物などに触れた手を介して侵入する「接触感染」
- 吐しゃ物などから飛び散った飛沫を吸入することで侵入する「飛沫感染」
- 吐しゃ物などの処理が不十分であった場合に、空気中に舞い上がった残存ウイルスを吸入することで侵入する「空気感染」
上記の内、接触感染については手袋やエプロンを身に着けた状態で処理することである程度予防が可能です。
一方飛沫や空気中に含まれるウイルスは目に見える形での対処が難しいため、安定化二酸化塩素などお塩素系除菌剤を活用した感染対策が推奨されます。
汚物の処理には強力なハイター系(次亜塩素酸ナトリウム)がおすすめ
ノロウイルスは、吐しゃ物1gに対して100万個以上、また便1gに対しては10億個以上も存在しており、100個以下でも感染するケースがあるなど感染力の強いウイルスです。
またノロウイルスは乾燥にも耐性があり、汚物の処理が不十分な環境だと長期間にわたって感染が続く可能性もあります。
そのため、まずはしっかりと防護具を身に付けた状態で汚物を取り除くことが大切です。
汚物を取り除いたあとは、濃度0.05%の次亜塩素酸ナトリウムを使った消毒が効果的であると言われています。
なお次亜塩素酸ナトリウムは人体に有害なガスを発生させる場合があるため、マスク・手袋などを着用のもとで消毒作業を行うようにしましょう。
空気中のウイルスを消滅させるには空間除菌剤(安定化二酸化塩素)が効果的
空気中に残留するノロウイルスに対しては、安定化二酸化塩素を含んだ空間除菌剤での消毒がおすすめです。
空間除菌剤はその名の通り空間の消毒を行うための商品で、スプレータイプや置き型タイプなど様々な形状のものが市販されています。
中でもタブレットタイプの置き型空間除菌剤「AC plus」は、エアコンに設置するだけで自動的に除菌・消臭を行えるという手軽さから様々な施設で利用されている商品です。
またAC plusの主成分である安定化二酸化塩素は、次亜塩素酸ナトリウムよりも強い除菌力を持ち、かつ人体への害もないとして世界的に安全性が認められている成分です。
安定化二酸化塩素の用途は幅広く、感染症対策にはもちろん、花粉やハウスダストの除菌・悪臭除去・防カビなどにも効果が期待できます。
安定化二酸化塩素は日本ではまだ未認可のためあくまでも雑貨としての販売にはなりますが、ノロウイルスなどの脂質膜を持たないウイルスにも効果を期待できるおすすめ商品となっています。
お得に購入できるセット商品や、業務用商品なども広く扱っているので、自宅やオフィスでの感染対策でお悩みの方はぜひチェックしてみてください。
まとめ
- 市販の除菌スプレー・消毒グッズには、エタノールなどのアルコールを使用したものと、安定化二酸化塩素などの塩素成分を使用したものの大きく2種類がある
- ウイルスも脂質膜の有無によって種類が分かれており、ノロウイルスやロタウイルスのように脂質膜を持たないウイルスは「ノンエンベローブウイルス」と呼ばれる
- ノンエンベローブウイルスにはアルコール系除菌剤が効きにくいため、安定化二酸化塩素などの塩素系除菌剤による感染対策がおすすめ
安定化二酸化塩素はノロウイルスやロタウイルスだけでなく、新型コロナウイルスやインフルエンザなどのエンベロープウイルスに対しても消毒効果を見込める優秀な成分です。
冬場は様々な感染症に対する予防が必要となってくるため、より幅広いウイルスの感染対策に役立つ安定化二酸化塩素商品も活用してみましょう。