
安定化二酸化塩素と次亜塩素酸ナトリウムの違いをわかりやすく解説
・公開日:2021.05.07最終更新日:2021.05.12
本コンテンツは一般的な情報の提供を目的としており、法律的、税務的その他の具体的なアドバイスをするものではありません。個別具体的事案については、必ず専門家にご相談ください。
本コンテンツの情報は、その情報またはリンク先の情報の正確性、有効性、安全性、合目的性等を補償したものではありません。
また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。
ウイルス対策に効果的な除菌成分はいくつかありますが、中でも注目されているのが安定化二酸化塩素です。
この記事では、安定化二酸化塩素の元となっている二酸化塩素の特徴と、よく似た効果を持つ次亜塩素酸ナトリウムとの違いについて解説しています。
安定化二酸化塩素を使用したおすすめの除菌剤も紹介しているので、除菌グッズ選びでお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
「安定化二酸化塩素」と「二酸化塩素」の違い
安定化二酸化塩素と二酸化塩素は同じ物質のように思えますが、実際には大きな違いがあります。
まずは、本来の成分である二酸化塩素の特徴と、安定化二酸化塩素との違いについて詳しく見ていきましょう。
二酸化塩素の特徴とデメリット
二酸化塩素(CLO2)は強い酸化力を持っており、ウイルス除去や消臭・防カビなどに効果のある成分です。
日本においてはプールの浄水処理や医療分野のガス滅菌器などに使用されています。
また2001年にアメリカでバイオテロが発生した際には、建物の除染にも二酸化塩素が使用されたという実績があります。
このように除菌効果の高さが評価されている二酸化塩素ですが、通常では気体(ガス)の状態であるため、長期的な保存ができないというデメリットも。
更に二酸化塩素を使用する際には気体を発生させる装置が必要になるなど、取り扱いの難しさからなかなか流通に至りませんでした。
そこで発明されたのが、安定化二酸化塩素です。
安定化二酸化塩素の誕生で製品化が実現
安定化二酸化塩素は、二酸化塩素をアルカリ性水溶液に溶け込ませ、ガスの放出を安定化させたものです。
溶存液として使用することで、ガスを発生させる装置が不要になり、長期的な保存も可能となりました。
二酸化塩素以外の物質も含まれるため成分には違いがありますが、酸化力の強さは安定化二酸化塩素にも十分期待できます。
現在はこの安定化二酸化塩素を活用した除菌スプレー・除菌剤が広く販売されています。
「次亜塩素酸ナトリウム」との違いは?
次亜塩素酸ナトリウムも、強い酸化力を持つことから除菌剤などに使われている成分の1つです。
続いて、安定化二酸化塩素と次亜塩素酸ナトリウムとの違いについて詳しく見ていきましょう。
消毒利用における安全性の違い
安定化二酸化塩素も次亜塩素酸ナトリウムも、ウイルスやカビ菌を不活化させる仕組みは同様です。
ただし次亜塩素酸ナトリウムの場合、ウイルスに反応したときにトリハロメタンなどの有害物質を副生成するリスクがあります。
また次亜塩素酸ナトリウムは強い塩素臭があり、毒性も高いことから肌に触れるような使い方はできません。
一方、安定化二酸化塩素は有害物質を副生成しないことが証明されており、低濃度であれば肌への影響もない安全な成分です。
安定化二酸化塩素と次亜塩素酸ナトリウムの違いをまとめると以下のようになります。
次亜塩素酸 ナトリウム |
安定化 二酸化塩素 |
|
---|---|---|
有効性の違い | ほとんどのウイルス・カビ・真菌類 | 全てのウイルス・カビ・真菌類・藻類 |
毒性の違い | アルカリ配合製品は組織を強く腐食する/トリハロメタンなどの有害物質を生成する | ほとんどない/高濃度の状態で長時間接触すると皮膚や呼吸器官が刺激を受けるケースがある |
腐食性の違い | アルミニウム・鉄に対して腐食性がある/ステンレスに青みを生じる可能性がある | ほとんどない |
生分解性の違い | 塩素系副生成物に対して低い | 反応性薬品・副生成物に対して高い |
除菌効果の違い
安定化二酸化塩素と次亜塩素酸ナトリウムは殺菌力の高さにも違いがあります。
以下は、2.5分間で殺菌を行う場合に必要とされる最小濃度の比較分析表です。
除菌剤の成分 |
大腸菌
|
黄色ブドウ球菌
|
MRSA
|
枯草菌
|
黒麹カビ
|
---|---|---|---|---|---|
次亜塩素酸 ナトリウム |
10ppm | 10ppm | 10ppm | 1,000ppm | 1,000ppm |
安定化 二酸化塩素 |
1ppm | 1ppm | 1ppm | 100ppm | 10ppm |
このように、安定化二酸化塩素の方がより低い濃度でも殺菌効果を得られることが分かります。
安全性においても、有効性においても、次亜塩素酸ナトリウムよりも安定化二酸化塩素の方が優れていると言えるでしょう。
安定化二酸化塩素を使ったおすすめ商品
安定化二酸化塩素を使った除菌商品には様々な種類がありますが、ここではタブレット型の最新商品「AC plus」についてご紹介。
AC plusは広い室内やオフィス・店舗などに活用できる便利な空間除菌剤なので、除菌グッズ選びでお悩みの方はぜひチェックしてみてください。
空間除菌剤「AC plus」の特徴
AC plusは、日本で唯一安定化二酸化塩素のタブレット化に成功した商品です。
これにより、気体(ガス)や液体のものよりも劣化しにくく、更なる長期保存が可能となりました。
またAC plusはエアコンのフィルターに設置するだけで利用できるため、使い方も非常に簡単。
設置後はエアコンの送風機能によって自動的に安定化二酸化塩素が放出されます。
スプレーやミスト・ゲルタイプの除菌剤と違い、広範囲に満遍なく成分を散布できることから、こまめな除菌作業が面倒な方にもおすすめです。
防カビや脱臭にも有効
AC plusは病原体となるウイルスの不活化をはじめ、以下のようなウイルス・カビ・悪臭の除去効果が期待できます。
病原体の 不活化 |
新型ウイルス・SARS-CoVウイルス・MERS-CoVウイルス・C型肝炎ウイルス・デングウイルス・サルロタウイルス・インフルエンザウイルス |
---|---|
ウイルス・カビの除去 | 157・大腸菌・サルモネラ菌・黄色ブドウ球菌・レジオネラ菌 等 病院のMRSA・院内感染対策・院内の消臭・器具の滅菌 |
有機悪臭の分解 | アンモニア臭・タバコ臭・ペット臭・体臭・室内干臭・シューズ臭・生ゴミ臭・その他の悪臭 |
AC plusは1回の設置で約2ヶ月間効果が持続し、常にお部屋を清潔な状態に保つことが可能です。
家庭用の他、業務用の商品も販売しているので、オフィスや店舗の感染予防対策としても活用いただけます。
まとめ
- 二酸化塩素は気体状のもの、安定化二酸化塩素は二酸化塩素を溶かして溶存液にしたものという違いがある
- 次亜塩素酸ナトリウムも高い除菌効果を持つものの、安全性などの面では安定化二酸化塩素の方が優れている
- 空間除菌剤として活用するなら、安定化二酸化塩素を使ったタブレット製品「AC plus」がおすすめ
除菌グッズはどれも同じように見えますが、使われている成分によって効果には違いがあります。
市販されている商品を購入する際は、使用成分やその割合などを比較しながら適したものを選ぶようにしましょう。